空に憧れて
投稿日時:2018/02/02そろそろ2年目、藤原です。
昨日、中経協さんの定例会にて
高橋淳さんの講演を聴いて参りました。
皆さんはご存知ですか。
ギネスにも載っている、人類最年長の現役パイロットが、日本にいるということを!
そう、
機体を操り、空を翔ける95歳。
その方こそが、高橋淳さんなんです。
戦時中には攻撃機のパイロットとして
今は日本飛行連盟・赤十字飛行隊として
今もどこかを飛んでいるに違いない、ハンサムなおじいちゃん。
空に人生を賭けるって、こういうことなんでしょうね。
かっこいい。憧れます。

高橋さんは1922年、4人兄弟の末っ子として生まれます。
子どもの頃から飛行機が好きだったという高橋さん。
初めて飛行機に乗ったのは、ある新聞社主催のイベントで乗せてもらった時だそう。
乗りたい!と一番上のお兄さんに頼み込んだのだとか。かわいい。
そして、この時
「とにかくパイロットになりたい」と決心したそうです。
戦争を生き抜いた飛行機乗りの話を聴くと
「小さい頃から飛行機が好きだった」と多くの人が語っているように、
どんな時代も「好きこそ原動力」なんだなあと、強く思います。

そして戦争が始まると、訓練を終えた高橋さんは「一式陸上攻撃機」のパイロットに。
「一式陸上攻撃機」とは日本海軍の陸上攻撃機のことで、
魚雷や爆弾を積み、攻撃する飛行機です。
通常は7人乗りですが、高橋さんの所属した部隊では5人で乗っていたようです。
アメリカでは「ワンショットライター」(一撃浴びせたら火を噴く、脆い飛行機)と呼ばれたとの記録もある機体です。
敗戦の色が濃くなると、飛行機の脆弱さもあったのでしょう、
出撃した機体のうち半分は還ってこない状況に。
日に日に消耗していく戦友たち。
それでも、高橋さんは、部隊最後の1機になるまで生き残ります。
なぜ、高橋さんは生き残れたのか。
「運が良かっただけ」という話もよく聴きますが
高橋さんは、以下のように語ります。
“この連中(同じ機体に乗る4名)の命は俺が預かっている。
無駄死にはごめんだ、なんとか還ってこよう。
どんなことをしても、連れて還ってきてやる。
そんな精神で、出撃していました。
でも、パイロットがパニックになったら全員終わりです。
パニックにならないように。そういう人じゃないと生き残れません。”
高橋さん曰く、
生き残る秘訣は「常に80%でいること」。
よく、100%の力で働きなさいと言われるけれども、
100%の状態はそう長く続くものではない。
確実に80%をこなし続けていれば、100点満点です、と。
80%でいれば、余裕がある。
だから、トラブルがあったとしても、パニックにはならないのだそう。
フライトに限らず、人生においても。
自分の「80%」の水準を上げて、できることを増やしつつ、
いつも余裕を持ちながら、こなしていこうと思った次第です。
これ以上長くなるのも困るので、他の学びは割愛しますが、
95年間生き続けた方の言葉ですから、すべてに重みがありました。
私の尊敬する、植松努さんの受け売りですが
“困難に立ち向かうには、過去その困難を乗り越えた人の真似をすればいい。”
まさにこのとおりだと思います。
誰かが困難に立ち向かう時、拠り所になるものを残したい。
たくさんの困難を乗り越えた人の言葉を、残せるうちに残して後世に伝えていきたい。
もしもその人がいなくなってしまった時、
その言葉を忘れないように、忘れてしまって後悔しないように。
高橋さんのお話を聴き、自分の想いを再確認したのでした。
手前味噌になるのですが
だからこそ、そんな言葉やメッセージを残していく
「社長室101」が大好きだなあと思ったり。
そしていつか、
全国の飛行機乗りのおじいちゃんたちに、困難を乗り越えたお話を伺いに行きたいなと。
(でももうあんまり時間が残されていないようで、自分の力不足に不甲斐なさを感じたり、葛藤もしばしば。)
長々しんみりとしたためてしまいましたが、
最後にコレだけ。
来世は空の男に生まれたい!
カウテレビジョン/藤原
カウテレビはリアリティーを重視し、社会に点在する伝わりきれていない価値を発見し “動画”という手法でどんどん世界に発信していきます。
